フランス語の名言解説_第5回

こちらは2020年12月にレ・ザトリエのメールマガジンを登録されている皆様に送信したものを編集したものです。

名言ミニレッスンの第5弾です。

本日はクリスマスイブですね。

よってこの名言ミニレッスンは今回で最後です。

棚瀬の戯言にもお付き合いいただき、ありがとうございました。

ぜひ、コーヒーでも飲みながらのんびり読んでいただければ嬉しいです。

クリスマスのボンボン、papillote パピヨットの包み紙にかかれている名言から仏語文をピックアップしています。

だいたいは、ことわざ、格言(un proverbe) か、本等からの引用( une citation)です。

皆様もどんな意味か考えてみてくださいね。

訳は棚瀬バージョンです。

‘’ Les paroles sages tombent quelquefois dans l’oreille d’un sourd, mais un mot gentil n’est jamais perdu.‘’

Arthur Helps

各単語の基本的な意味 : 

les paroles…言葉、文言、発言

sage(s)…懸命な、分別ある、かしこい

tomber…落ちる、…になる

quelquefois…時々、時には

dans…の中へ、…に

une oreille..耳

sourd(e)…耳の聞こえない人、耳の不自由な人

un mot…語、単語、言葉

gentil(le)..親切な、優しい、思いやりのある

jamais..決して~ない

perdu..失われた、無駄にした

賢明な言葉は時に捨て置かれるが、優しい言葉は決して捨てられない。

ちょっと意訳ですが、どうでしょう^^

ここでのポイントは、tomber dans l’oreille d’un sourd という表現です。

それぞれの単語の基本の意味は上記の通りですが、このひとかたまりで、「言葉が聞き入れられない、助言に耳をかさない」ということを意味します。

faire la sourde oreille でも似た意味になります。

sourd(e) は耳の聞こえない人、ですのでやや使いにくい気持ちがする言葉ですが、フランス語会話では結構耳にします。

これは、アーサー・ヘルプスというイギリス人作家の方の言葉だそうです。

確かに優しい言葉の威力は、疲れた時は特に強力ですよね~。

いろいろあった今年、年末年始は優しい言葉を携えて参ろうと思います。

アーサーさん、ヘルプありがとう(ここでダジャレか!)

では2つ目もいってみましょう!

‘’ Notre plus grande gloire n’est pas de ne jamais tomber, mais de nous relever chaque fois.‘’

Confucius

各単語の基本的な意味 : 

plus…最も

grand(e)…大きい、重要な

une gloire… 栄光、名誉、名声

jamais…決して~ない

tomber… 転ぶ、落ちる

se relever…起き上がる、立ち上がる

chaque…毎、…ごとに

fois…度、回

最大の栄光は決して転ばないことではなく、都度起き上がることだ。

de の後に動詞の原形が来ていることがポイントです。

見分けるマークになります。

de (ne jamais) tomber 

de nous relever 

は同列で、Notre plus grande gloire の 属詞にあたります。

最初の方が、n’est pas と否定なのが少しわかりにくいと感じるかもしれません。

Confucius って…誰じゃねん…って思った方、普通です。

これは日本語で聞くとすぐわかります。

はい、孔子 です。

最初の Co しか類似部分がないですが、Co を手がかりに覚えましょう。(あんまり使わないけど…)

孔子の論語は、フランス語だと「Entretiens de Confucius」もしくは「Analectes(英語に近い)」というようです。

entretiens はここではメンテナンスの意味ではなくて、会談、話し合いの方ですね。

では、最終回なので、調子に乗って、3つ目も(!)

‘’ Aimer, ce n’est pas se regarder l’un l’autre, c’est regarder ensemble dans la même direction.‘’

Antoine de Saint-Exupéry

各単語の基本的な意味 : 

aimer…愛すること

se regarder…互いに見つめ合う

l’un l’autre…互いを、互いに

jamais…決して~ない

regarder… を見る

ensemble…いっしょに

même…同じ

la direction…の方に、向かって

愛はお互いを見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見つめることである。

l’un l’autre は互いに、とまとめてしまいましたが、もちろん、l’un と l’autre という別の言葉です。

l’un と l’autre の使い方を細かく書くと長くなるので割愛しますが、もうこの文章まるごと、「l’un l’autre お互いに」として覚えちゃってもいいでしょう!

une direction は方向、という意味ですが、

dans la direction de.. の方向に、へ向かって という形でよく使います。

ここでは dans la même direction 同じ方向に、と même が挟まっています。

棚瀬なんぞの訳はいらんわーい、というぐらい有名な一文ですね。

いわずと知れた「星の王子さま」の作者、サン=テグジュペリ、「サンテックス」の文です。

この文は、「人間の土地 Terre des hommes」というサン=テグジュペリの随筆集にあります。

同じ方向を見るというのはそのくらい互いへのリスペクトを伴うものなのだなぁ…と改めて、チョコレートをもぐもぐ食べながら思いました。

う~~~ん、難しい!

名言解説のおわりに

この名言と戯言メールは、こちらを最後にしようと決めておったわけです。

大変な一年でしたが、その締めくくりに少しでも何か明るさを、と思いまして。

棚瀬からの今年のメールはこれが最後です。

読んでくださった皆様、ありがとうございました。

名言集、みたいのはなかなか手に取らない私ですが、チョコレートの包み紙ぐらいの軽さでフランス語と名言を楽しめたら、とおもってはじめました。

意外にもたくさん、面白い、楽しいという感想をいただけて本当に嬉しかったです。

来年はさらに一層、皆様のお役にたつ情報を、愛をもって(同じ方向を見て!)、楽しく発信していけたらと思っています。

名言解説も続編がありえますので、どうか期待せずでもちょっぴりだけ期待して待っていてください!

ではではどうぞ、皆様、よいお年を!!

Je vous souhaite de passer d’excellentes fêtes de fin d’année ! 

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