フランス語の名言解説_第4回

こちらは2020年12月にレ・ザトリエのメールマガジンを登録されている皆様に送信したものを編集したものです。

名言ミニレッスンの第4弾です。

もういくつ寝るとクリスマス~。

ということでクリスマスまでの限定配信もあと少し。

お暇な時にお茶でも飲みながらお読みいただければ嬉しいです。

クリスマスのボンボン、papillote パピヨットの包み紙にかかれている名言から仏語文をピックアップしています。

だいたいは、ことわざ、格言(un proverbe) か、本等からの引用( une citation)です。

皆様もどんなふかーーーい意味があるのか、ぜひ考えてみてくださいね。

訳は棚瀬バージョンです。

‘’ Ce n’est pas parce que les choses sont difficiles que nous n’osons pas, mais parce que nous n’osons pas qu’elles sont difficiles..‘’

Sénèque

各単語の基本的な意味 :

parce que…なので、…だから、なぜなら

les choses…事柄、事態

difficile…むずかしい、困難な

oser…思い切ってする、勇気を出してやる

難しいからやろうとしないのではない、やろうとしないから難しいのだ。

これまでに比べるとやや長い文ですが、実は構造はシンプルです。

Ce n’est pas parce que A que B, mais parce que C

BなのはAだからではなく、Cだからだ

という定型的な言い方があります。

この名言はこの構造そのままです。

A が les choses sont difficile
B が nous n’osons pas
C が nous n’osons pas qu’elles sont difficiles

なのでこれをそのまま(BなのはAだからではなく、Cだからだ) にあてはめると

(【B】やろうとしない)のは(【A】難しいから)ではなく、(【C】やろうとしないから難しいの)だ。

A、B、Cがそれぞれ文章という入れ子構造なので一見難しそうですが、そうでもないという良い例です。

あと名言特有の、同じ単語を繰り返しつかうという点が、パッと聞くとわかりにくく感じてしまう理由かもしれません。

これは…セネカさんの名言です。

はい、第2回でもお世話になっております。

ありがとう、セネカさん!

私もフランス語の名言をネタに文章を書くとか勇気がいりましたが、いざやってみると、やってよかったと思います。

それでも私にとっては難しいことに変わりませんが!

来年も胸に刻んでがんばります。

では勇気を出して、2個目も!

‘’ Il faut toujours viser la lune, car même en cas d’échec on atterrit dans les étoiles.‘’

Oscar Wilde

各単語の基本的な意味 :

Il faut +不定詞…しなければならない

toujours …いつも、常に

viser… めざす、求める、ねらう

la lune…月

car… というのは、なぜなら…だから

même…であっても、…さえ

en cas de+無冠詞名詞…の場合には

un échec…失敗、挫折

atterrir… 着陸する

une étoile… 星

常に月を目指さなければならない、なぜなら失敗しても星にたどり着くから。

単語数が多いですが、主要単語ばかりなので、こちらの方がわかりやすいかもしれません。

ここでは même が、「同じ」という意味ではないと気づくのがポイントでしょうか。

この文では…さえ、…であっても、という意味の副詞です。

même en cas d’échec で「失敗しても、失敗の場合でさえ」となっていますが、よりシンプルに、même moi…「わたしでさえ..」とかいう感じでとても使います。

この名言はオスカー・ワイルド先生、前回に引き続き、ありがとうございまーーす。

ホントの戯言

viser la lune と聞くと、思い出す曲があります。

Amel Bent の Ma philosophie という曲です。

彼女の代表曲なので、知っている人も多いかもしれません。

そのころは(今もだけど)絶賛フランス語勉強中で、この曲が好きだったので歌詞を書き出したりしてました。

フランス生活で自分のアイデンティティをいろいろ揺さぶられてもいたので、このMa philosophieを聞いて気持ちを落ち着けていたのかもしれません。

今も大好きな曲なので、ご存知ない方はぜひ聞いてみてください。

YouTubeにオフィシャルクリップがあります。特にイントロが好きです。

おぉ、今回は真面目な感じのメールになりました。

いや、いつも大真面目なんですが!

では、次回、このシリーズ最終回でお会いしましょう!