主な意味
思っていることをすべて言う、ぶちまける
= Dire ce qu’on a sur le cœur
フランス語 熟語表現 使用例
-Pourquoi tu ne lui dis rien alors qu’il y a beaucoup de choses qui ne te plaisent pas. Il faut vider ton sac !
-気に入らないことが沢山あるくせに、何で君は彼に何も言わないんだ。思っていることを全部言ってやれよ!
-C’est beaucoup mieux de communiquer et se dire ce qu’on a à dire au lieu de les garder longtemps sur son cœur et vider son sac soudainement.
-コミュニケーションをとって、言いたいことを言い合うほうが、長年溜め込んで急にぶちまけるよりもよっぽど良い。
-Ne vide pas ton sac sur moi, je n’ai rien à voir dedans.
-僕にすべてをぶつけるのはやめてくれ。僕は関係ないのだから。
ポイント
‘Vider’は「空にする」、 ‘son sac’は「彼 /彼女の袋」を意味しますので、 ‘Vider son sac’は「彼 /彼女の袋を空にする」を意味します。所有格の ‘son’は、主語によって、 ‘Ton(君の)’, ‘Votre(あなたの)’, ‘Leur(彼らの)’となります。
この表現は、17世紀のフランスの弁護士達が法廷で弁護士が使う書類を、巻いて袋に入れて保管し、法廷ではその巻物を一つずつ袋から出して意見を述べていたことに起因します。
現在は法廷から離れて、「言いたいことをすべて言う」という意味で使われます。袋を心見立ててみると、「心に溜め込んだものを空にする」=「言いたいことをすべて言う」という意味が理解しやすいかと思います。
つぶやき
日本人と付き合っているフランス人からよく聞くのは、「ずっと仲良く過ごせていると思っていたのに、急に自分のすべてを否定するようなことを言われて戸惑ってしまう。
一度に急に言われても、受け止めきれない」ということです。言わなくても察してほしいというのは、日本でもなかなか難しいですが、フランスでは日本以上に通用しないようです。